前回の更新から間が空いてしまいました。

休校対応で全く余裕がありませんでした。医療の現場で命の危険にさらされながら闘っておられる方、お金の流れが止まり、苦しい決断をされた方、もっと大変な方がいらっしゃるのは承知しているのですが、やはり余裕はありませんでした。コロナとは無関係の難治性の病気が発見され、(人は誰しもですが)ゆるやかに死に向かっていることを自覚させられました。同時に、大阪の生活も二年半が経過し、この土地での生活がもう長くはないことも自覚しました。新しい土地でなじむまでにかかる時間や労力を考え気持ちが沈んでいくのを感じました。ライターとして大阪での生活に感謝しかありません。それでもはじめの半年は当たり前だと思っていたことが当たり前にできなくなり、生理が止まったり、子どもと心が通じ合わなくなったり、いろいろなことがありました。

犯罪に関する刑法の見直しに向けて記事を書きました。
記事作成に当たって、京都大学の安田先生にお話を伺いました。また一般社団法人Springにご意見を寄せていただきました。

以下は、臨床心理士の野坂祐子先生の言葉なのですが、心を打たれました。

「何かに気づくことは、何かに関わり、相手に寄り添うことである。暴力に気づくことは、加害者を断罪することではなく、加害者の抱える問題に関心を寄せることであるだろう。暴力に気づくことは、被害者を保護することではなく、被害者に気持ちを寄せ、回復のための支援をすることでもあるだろう。気づくことで、確実に何かが変わる。その変化の積み重ねが、暴力のない安全な社会へつながるのではないだろうか」
https://blhrri.org/…/info/book_guide/human/human_022801.html

今回取り上げられませんでしたが、性被害者として声をあげておられる方のお話もお聞きしました。実務家・法学者だけではなく、被害者の方が辛い体験を綴られた著書も拝読しました。山本潤さんの『13歳、「私」をなくした私』、伊藤詩織さんの『Black Box』は被害に遭われた方がどのような苦しみを味わうのか、知ることができます。目を背けたくなるほど辛い部分もあるのですが、お読みいただけたら被害者の置かれる状況について理解の助けになると思います。それでも苦しみのほんの一部だと思います。

性暴力が被害者に立ち直れないほど深い傷を負わせてしまう実態を知り、もしかしたら自分の身にも起きていた/起きた可能性のあるものだと気がつく人が増えれば、性暴力を取り巻く環境は確実に変わってきます。ひとりでも多くの方に関心を持っていただけましたら幸いです。

自分にできることはごく僅かだということは自覚しつつ、
誰かの、声にならない声を伝えること。
人生の残りの時間を使って、真摯に取り組んでいきたいとおもいます。