京都の劇団地点の主催「観劇観能エクスチェンジプログラム」に参加させていただいており、夏から足繫く京都に通っています。プログラムは残すところあと11月24日の1回のみです。論文を提出しないとならないため、ここでは自分のためのメモとして10月20日に大江能楽堂(京都市中京区)で行われた「能舞台と序破急~隠された関係に迫る~」のまとめを。

レモン画翠オーナーの松永直美氏の論文「世阿弥以降の能舞台様式の変化『序破急五段』の関係性から」を元に観世流シテ方田茂井廣道氏と地点代表の三浦基氏の鼎談。3方のお人柄と深くて広い知見をして鼎談が面白くないはずはなく、それに加えて参加者の容赦ない鋭い指摘、それに対するウイットに富んだ切り返しなど、ものすごく白熱した時間を過ごした。

序破急とは

序破急とは舞楽・能楽の構成形式。全曲を序・破・急の三部分に分けられ、曲や舞の進行の速さの変化についての決まりとされています。しかし、田茂井さんは「序破急よりは守破離の方の教えを強く受けてきた」と仰っていた。もっとも、序破急五段の示されている「拾玉得花」は能楽師にとって一級の書物であり、「見直していきたい」とのこと。

序破急五段=世阿弥の存在生成論(生成のプロセス)の基礎理念

  1. 成就とは「成り就く」ことである。
  2. 「面白い」ことである。
  3. 一定の結果に落ち着き決着すること、それが「成就」であり、その過程が「序破急」である
  4. 演技が成就する、その瞬間に「面白き」が生じる

拾玉得花(シュギョクトクカ)生長元年

「面白きは見どころ一見の序破急、なすところの一風は芸の序破急なり」

舞台における序破急

演目における序破急

守破離とは

「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。
「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。
「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。

コトバンク

林夏子のはてしないお茶物語
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