群馬県みなかみ町の大水上山を出発した利根川は、前橋の市街地を南下し、やがて江戸川に分岐して東京湾に流れ込む。
3月末、利根川を下るように群馬・前橋市から東京・江戸川区に引っ越した。

江戸川区は、西側に荒川と中川、東側に江戸川、南側に東京湾に挟まれた水の街だ。

地元で長年洋服店を営んでこられた店主の話では、このあたりは昭和30年半ばまでは干潟が広がり海苔の養殖場や牧場などが広がる田園地帯で、地元の人は荒川の向こう側を「東京」と呼んでいたという。それまで「陸の孤島」だったという江戸川区葛西地区も昭和38年の東西線開通前後に、埋め立て工事や都市開発が進み海苔の養殖場や牧場は住宅と町工場に変わっていったようだ。

縁もゆかりもなくはじめて暮らす江戸川区。

どこか懐かしい感じがするのは、川に囲まれた街並みが故郷・岐阜の長良川を思い起こさせるから。実際の荒川は水量も多く遠目にも澱んでいて、澄んだ水が細く流れる長良川とは似ていない。それでも川の記憶はどこか通底する。

10数年の間、数年後の引っ越しを前提に引っ越しを繰り返してきた。
今回、次の引っ越しの予定はない。
当面は引っ越しをしなくてもいいことへの安堵と同じくらい、もう引っ越しガチャで振り出しにもどれないことへの不安も大きい。
(そういう意味では、自宅の購入は結婚と似ている。)

ともあれ、流れ着いた江戸川区で新しい生活が始まった。

(写真は船堀タワーからみた荒川と中川、首都高)