広がる日本茶の輸出の動き。実際に中小企業がどうやって海外販路を開拓してくのか、アリババドットコムの営業担当者のお話が参考になりました。海外展開を考えたときにリアルな障壁となる「手段」「英語」「費用」など備忘録としてまとめました。

インターネットを活用した海外販路拡大の手段

Alibabaはソフトバンクグループの傘下。アリババといえば保有するショッピングモール「tmall」(中国版の楽天)が有名ですが、楽天が一年で3.5兆円を売り上げるところ、1日で3兆円を達成するなど、中国の爆買をすべて利益にかえているような恐ろしいほどの成長企業。ただし、このTMALL、誰でも参入できるのではなく、アリババ側からのオファー制となっており、アリババグループの持っているビックデータを元に顧客が欲しがっている商品を持っている大手メーカーへオファーがあってはじめて出店できるそうです。日本企業ではカルビーや資生堂、MTGなど大企業が参入しています。

また、日本で叫ばれて久しいキャッシュレス化が海外では半端なく進んでいます。アリババグループの決済サービスアリペイの取引額は年間300兆円。(日本ではすべての決済サービスを含めても5兆円程度。)海外進出のリスクが減ったといわれる一つの大きな要因でしょう。

アリババが中小企業向けに用意しているのが、BtoB向けに開設している「Alibaba.com」。こちらはインターネット上の国際展示会。登録すれば最大で世界1億人のバイヤーと繋がれるという。

アリババドットコム
https://www.alibaba.com/

インターネットを活用した海外展開の手段として考えられるのが、多言語に対応した自社ホームページを制作すること、もしくはアリババドットコムのようなグローバルプラットフォームを利用することがあります。(インターネットを活用しない方法としては海外展示会や現地法人を作るなどもありますが、費用が桁違いになります)

どんな商品が売れるのか

    • 機械金属部品・産業材
    • 美容・健康・ベビー
    • 和食・日本文化に関するもの

    和食はユネスコ無形文化財にも選ばれている世界的なもので日本茶もふくまれています。
    現在この分野で800億円ですが、安倍総理も2019年までに1兆円にしたいと目標打ち立て、原発事故による輸出規制はあるものの、政府の後押しもあり順調に伸びているとのこと。
    日本文化としては着物なども含まれますが、仏壇仏具はインテリアなどで需要があるそう。日本庭園を造る人がいるため、灯籠の需要もあるそうですよ。

    ただし、どこにでもある商材は当然わざわざ日本から輸入しなくても購入できるため厳しいようです。
    日本でも売れていて、他の商品との差別化を図れる独自の価値がある商品が売れる法則は舞台を世界に移しても変わらないようです。

    お茶業界での成功例

    愛媛県の「香月園」さんのお話が紹介されました。

  • ティフォー・ユー|香月園
    http://www.t4u.co.jp/年商5億円のお茶屋さんですが、4年かけて50か国で取引先を作り、海外売り上げを2億円積み上げ、従業員も5名から7名に増やされたとのこと。香月園の社長さんが仰っていた言葉が印象的でした。

    「実店舗なら配荷率は市内の人口12万人で0.1% インターネットなら100%」
    (※配荷率とは 、市場にいる何 %の消費者がその商品を買おうと思えば物理的に買える状態にあるかという指標)

    ちなみにアリババドットコムは中国の会社ですが、バイヤーは欧州、ロシア、アジア、北米が多く、アリババドットコムの成約件数は以下の通り。

    1. アメリカ合衆国
    2. ベトナム
    3. タイ
    4. シンガポール
    5. オーストラリア
    6. 韓国
    7. 香港
    8. インドネシア
    9. フィリピン
    10. イギリス

    中国という巨大市場に切り込むのは一筋縄でいかないそうです。

    英語よりも重要なのは商談スキル

    ボトルネックは英語力じゃない!

    海外展開に必要なのは英語力と思われそうですが、BtoBなので、国内の法人営業の経験、商品知識の方が必要のようです。英語が母国語ではないバイヤーとやりとりをするので、「商品」「価格」「ロット」「納期」などについての定型的なやりとりが多く、google翻訳を使いこなしてメール返信すればなんとかやっていけるようです。じゃあ、電話かかってきたらどうすんねん!と思うでしょ。固定電話の受話器にiPhoneを当てて、音声翻訳機能を利用すればよいとのこと。また、スピード最重視。国内でのやりとりのように、問い合わせがあって数時間~1日かけて返信するのは遅く、商機を逃すとのことでした。

    アリババドットコムお値段

  • ここまで聞いて、すぐにも皆アリババドットコムに登録したらいいじゃないか、と感じました。が、登録料として年間156万円。(月13万円)アリババドットコム内にホームページを開設、運営が自社でできない場合は委託料として月々+10万円。この固定費をどう考えるかは事業者さんの状況によってそれぞれのはず。ただ、真剣に、今後を考えると海外への流れはぜひ掴みたいところです。また、チャンスがあるのはここ数年とみる関係者も多いようです。

    独自性のある魅力的な商品を

  • しかし、アリババドットコムに登録しても商品登録やサイトの更新など労力はかかりつづけます。また、国内であっても海外であっても「独自性のある魅力的な商品」にしか競争力がないのだとしたら、まずは独自性や魅力を発見し、そこに磨きをかけていくという工程が海外進出より前に必要だし、やれることかもしれません。また、まだECショップがなく、十店舗のみで販売されているという事業者様はBASEなどの手数料のみで使えるショッピングカートもあります。どの商品がどれくらい売れるのか、他店がどういった努力をしてどれくらい顧客を獲得しているかを掴むこともおすすめです。

  • 林夏子のはてしないお茶物語
    https://www.hateshinai-ocha-monogatari.com/