家栽の人

司法修習生から勧められて読み、主人公の人物像に憧れた漫画「家栽の人」の中で桑田判事が語られた言葉を下りに触れて思い出すことがあります。

引用元: 毛利甚八作・魚戸おさむ画の青年漫画。「家裁の人」と誤記されが、家庭裁判所の略称は「家裁」だが、この作品の題名は栽培するの「栽」。
小学館ビッグコミックオリジナルに連載された。単行本は全15巻、文庫は全10巻。

舞台は裁判所でも、家事事件を扱う家庭裁判所。主役の桑田判事は、成績優秀で出世を期待されている逸材なのに、地方の家庭裁判所ばかり回っている裁判官。暇さえあれば植物の世話をしていて傍目からみたら変な人。でも、植物を観察するように家庭裁判所に持ち込まれる家裁事件を観察する視線は鋭い。世の中がバブル景気の真っ只中で連載されたこの漫画はバブル景気に乗っていない読者の心を掴み、ドラマ化もされ、大ヒットしたのでご存知の方も多いのではないでしょうか。

桑田判事の言葉が心に沁みます。

タンポポの花言葉に「軽薄」というのがあるんです。ふかふかと飛んでいく種の姿から出た言葉なんでしょうね。

私はこの言葉は間違っていると思う……
タンポポは一度根付くとなかなか枯れない粘り強い生き物なんです。何年も冬を越して、同じ場所に生き続ける……死ぬまで。
優子さん、あなたもタンポポにおなりなさい。まず、人を愛するために……

家栽の人①「たんぽぽ」|1988年12月1日|小学館

しかし物語で描かれているような裁判官は制度上も現実にも存在しない―ーこの現実に原作者の毛利さんは苦しんだそうです。毛利さんは癌闘病の末、鬼籍に入られました。お酒とたばこが原因だそうです。みんな、もうたばこ止めよう涙

現実と物語の間

お茶業界の取材をしていると、辛い現実を打ち明けられることもあります。そのたびに自分の力のなさに打ちひしがれます。「はてしないお茶物語」は事実に基づいて作成していますが、物語に悲壮感は必要ないと考え、それをいれていません。「物語」ではない現実の茶業界はどうやって救われるだろう。また、私なんかに何かできるのだろうか。その答えは行動しながら、問い続けるしかありません。

―お茶の花の花言葉は「追憶」。