万博記念公園内にある国立民族学博物館の開館40周年の特別展「太陽の塔からみんぱくへ—70年万博収集資料」に伺った。今月29日まで。

とにかく、展示は行けども行けどもどのゾーンにも仮面が壁一面に並んでいる。古典芸能の面は日本の能面に通じるところがあり、面白い。以下、館内の解説。

 EEM※の主要な収集対象の一つが仮面であった。
収集された仮面は、1)主として顔面につけるもの、2)頭部にのせたり、かぶるもの、3)人間が身につけないで、壁にかけたり、置いたりするもの、に大別できる。また、全身を覆う被り物や、日本のやごろどんの面のような大型の仮面も収集の対象となった。
収集された仮面の機能は様々で、信仰のと相性となる神霊を表した仮面、悪霊を退散させるための仮面、呪術師が病魔を払うための仮面、死者の追悼の祭りや葬儀に使う仮面、死者の頭骨に装飾や色彩を施し保存する仮面、秘密結社への加入時や成人儀礼、割礼時といったいわゆる節目に使用する仮面、雨ごいや方策を祈る儀礼時の仮面、戦士に戦いの舞に使う仮面、獲物の動物や人々と特殊な関係にある動物になるための仮面、謝肉採用の仮面がみられる。
仮面が用いられるのは、儀礼や仮面劇の場面が多く、仮面を身に着けることによって別人格となったり、仮面に神や精霊が宿ると考えられることもある。
EEMの収集活動では、「仮面の衣装や意味が生活の変化とともにどんどん変わってきた」、「古い仮面には落ち着いた『美しさ』を感じる一方で、新しいものほどグロテスクである」など、仮面が時代とともに変化することが感じ取られていた。

70年の大阪万博のテーマは「人類の進歩と調和」。資料収集対象が仮面であり、神像であり、集められた資料は、太陽の塔の地下に「根源の世界」というテーマとして展示されたという。「進歩」と「根源」という相反するものをどう解釈するのか。

また、万博の開催や資料の収集に賛否があり、反対声明を出した人類学者の声明書の展示もあった。

前略
私たちは文化人類学の健全な発展を願い、このたび同封のごとき声明を出すことになりました。
文化人る額が学史を通してしばしば政治に利用されたことは周知の事実でございます。
私たち文化人類学を学ぶものは、研究と政治との関係について、特に神経質でなければならないと思います。この声明で私たちが問題としていますのは 調査研究のための資金の出どころではありません。現在の社会に生きる以上は「きれいな金」などはありえないでしょう。問題なのはむしろ研究結果の政治による利用のされ方なのです。この点で、万国博覧会協力は疑問が大変多いと、私たちは考えます。この声明も右のような観点からご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

(中略)

東大文化人類学研究室
大学院自治会

 

※「日本万国博覧会世界民族資料調査収集団」(Expo ’70 Ethnological Mission )
<参考>
世界の仮面と神像 (1970年)|岡本太郎他
70年万博収集資料|野林厚志(国立民族学博物館教授)