4月の終わりに、阪急箕面線の桜井駅からほど近い桜井市場という古い商店街のLibrary Thinkの李さんを訪ねた。ガラス越しに店内を覗くと、まるでカフェのような店内である。人気はない。入店すると、ピアソラのバンドネオンが流れていることに気が付く。左右の壁は床から天井まで一面に本で埋まる本を見上げていると奥から李さんが。ここは李さんの私設図書館だ。59歳の時に書店を締め、この場所で図書館を運営する。李さん自身の蔵書から始まり、寄贈の本などが増えたのだという。目利きの方が見たら、きっと価値のある本もあるのだろう。店先に交換本があるのみで、本の販売もしておらず、カフェメニューなどもなく、カンパ200円のみで運営されている。

李さんが豆を挽いてコーヒーを淹れてくださった。
Library Thinkのパンフレットに書かれた李さんの言葉。

出版文化の危機が説かれて久しい。しかし、私は、今も、そしてこれからも、多くの人にとって、本はこの世界、この時代を”感じ””考える”うえで、特別な存在であり続けると確信しています。

Library Thinkを開くにあたり、本を媒介にして発見があり、心豊かに過ごせる場を目指していきたいと思っています。

市場内にはLibrary Thinkのほかには豆腐屋、ギャラリー、絵画教室などが並んでいる。シャッターの下りたテナントもあったが、改装中の店もあった。が、市場自体の老朽化のため、いずれ消えゆく場所なのだという。「消えゆく場所」という言葉の響きにほとんど泣きそうになる。この世界でやがて消えていく私たちができることは何なのか。現実感がもてないまま、夕暮れの街を歩いた。

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