田舎育ちの私が都会で子育てを経験して、初めて分かったことは、
都会では子供が大人のルールに合わせなくてはならず、子供の親は常に神経を緊張させていないとならないということです。

電車の中やお店の中はもちろん、子供の施設である児童館や公園ですら、常に「ダメよ」と言い続けなければ、露骨に耳元で舌打ちされたり(様々なトラウマがあるので、私は舌打ちが大嫌い)「親の顔が見てみたいわ」みたいな目線にさらされます。
静寂を求めて人が集うものであるところのレストラン、劇場、美術館、コンサートホールなんていうのは子連れには相当敷居が高い。それでも、子供にも触れさせたいと思い、ファミリーコンサートにも美術館にも連れていきましたが、人様に迷惑をかけないようにと神経をとがらせ、子供が少しでも騒ごうものならすぐに連れ出していたため、子連れで自分が楽しめたことは一度もありませんでした。(そういえば、ファミリーコンサートを企画したこともありましたが、自分の子供はお留守番させました…。)

子育てとは、未来を支える偉業であるはずなのに、「ペットと子供はお断り」という飲食店の張り紙に傷つきました。お店の方が子連れでもどうぞ、といってくだりご厚意に甘えて1歳の長男を連れて出掛けた六本木のイタリアンで真っ白なテーブルクロスをトマトソースで真っ赤にしたその日から、やはり迷惑をかけられないから、とファミリーのためのレストランである、「ファミレス」に活路を見出したのでした。

前置きが長くなりましたが、それから4、5年経ち、下の子が小学生になった先日、ようやくコンサートとレストランを解禁しました。
伺ったのは大阪城からほど近い谷町六丁目のカジュアルなフレンチと「楓ギャラリー」で行われたファミリーコンサート。

中川幸尚(バンコク交響楽団チェリスト)さんが冒頭の挨拶で
「楽器は壊れやすいので楽器を触るのは困ります。でもそれ以外は、どんな風に聞いてくれても自由です。お子さんが騒いでも、周りの人も注意したりしないであげてください」と言われ、会場の空気が和らぐのを感じました。

まず、選曲が素晴らしかったのです。
魔女の宅急便や勇気100%といったアニメソングから、
グリーグ、マスネのタイースの瞑想曲などの本格的なクラッシックまで、
子供だけでなく、大人も十分に楽しめる内容でした。

ドラえもんの映画の主題歌「ひまわりの約束
配布された歌詞カードを読みながら口ずさんで、不覚にも涙。

これで泣くってよっぽど病んでるんでしょうかね、私、と思ったのですが、
これが音楽の力だろうと。

子供もタクトを振らせて頂いたり
バイオリンを弾かせてもらったり、
ピッチカートのならし方を教わったり。
ファミリーコンサートはいっぱい挑戦してきましたが、
「それならカラオケ行けばええやん」的なものが多い中、
貴重な体験をたくさんさせて頂きました。

そして、ダンシングヒーローをノリノリで踊っている男の子がいて、さすが大阪だなぁと思いました。

本当に素晴らしい時間をご一緒させて頂きました。
主催者の皆様に心から感謝するとともに、来年以降もぜひ継続をしていただきたいと思います。ありがとうございました。

谷町classic at 楓ギャラリー