朝6時に高槻の自宅を出て、9時過ぎに静岡県立大学に到着。(在静中は車で通っていたため、県立大まで草薙駅から歩いたのは初めてで、やぶきたの原樹を初めて拝見しました)今回は「生活の中の安全を考えてみよう-高校生のためのリスク学入門-」のイベントのお手伝いのため。

来場した高校生に待ち時間に事前アンケートを記入してもらい、10時から上野雄史先生の挨拶がありました。その後内藤博敬先生(食品栄養科学部)よりイントロダクションの講義があり、安全と危険の間に色々な段階=リスクについての基本的な考え方を学びました。つづいて、「微生物と感染症“うつる”病気から身を守る」からグループワークの基礎知識となるクリプトスポリジウムを始めとした細菌などの講義がありました。

小栗朋子先生(国立環境研究所)より「身近な環境と健康リスク」の講義があり、有害性の大きさと摂取量の掛け算によってリスクの大きさは決まるということを学びました。

その後、関谷先生(東京大学博士課程)によるファシリテーションにより、グループに分けます。グループ分けがユニークで、「10年後にどうなっていたいか」という質問の答えで次のロールプレイのパートが決まります。(「石油王と結婚したい♡」と書いていた女の子は「お金」に興味があるということで、「スーパーの人」のパートが与えられました)

具体的には、水道水に講義で学んだクリプトスポリジウムが混入したという事例を行政・市民・報道・スーパーのロールが与えられ、リスクに対してどう対処するかについて考えます。

それぞれの立場で「どう対応するか」「どう発表するか」を話し合います。自分の意見を付箋に書き出したあと、テーブルの中央に置かれた模造紙に自分の意見を発表していき、グループの考えをまとめて発表します。各々、それぞれの発表を聞いて、それぞれの立場でどう思ったかの意見をマトリックスの表に付箋で貼り出します。最後に、それぞれのマトリックスを見て、どうしたらよかったかなどを発表します。学生の半数がファシリテータになり、残りの半数は各テーブルで高校生とともに意見を出し合いました。

その後、種明かしの講義があり、小野 先生(産業技術総合研究所)の講義で実際に水道水に異物の混入した事例とその時の行政・市民・科学者の対応を学びました。最後に戸敷 先生(宮崎大学)より科学と社会のつながり方についての講義でイベントは終了しました。

ファシリテータのいるグループワークは日常的に行われていますが、ロールプレイのワークというのは初めて拝見しました。普通のグループワークだと自分の立場からの意見になりますが、ロールを与えられると与えられた立場で物事を考えます。議論の大前提である相手の立場への考慮や共感が持てるようになるという期待もあります。

(自分のための参考URL)
認知科学・脳神経科学がリスク論に与えるインパクト――個人的選択から社会的論争への変換|関谷翔
ポストイットプラス
もやしもん
はたらく細胞|講談社

余談①小栗先生と私の実家がものすごく近く、高校の一学年上の先輩だったという驚きの出会いがありました。(世間は広いようで狭い)

余談②帰り際参加した高校生の一人から「ライターってどうやってなるんですか」という質問があり、「職業的物書きと趣味的物書きがいること」や「専門分野を持つこと」や「職業的物書きなら出版社や新聞社を目指すこと」と話しましたが、芸能ライターになりたいらしい彼女はいったいどんなアドバイスがよかったのかな。ともあれ、若者の未来は眩しいです。

余談③このイベントは県大のオープンキャンパスの役割も担っており、今年で4回目。私が高校生の時、第一志望だった名古屋大学法学部のオープンキャンパスに参加した際の講義が「姦通罪」だったことを思い出しました。今更ながら高校生には刺激的な内容だったなぁ。※戦前までは夫の親告罪であった(夫が不貞しても妻は訴えられない)姦通罪は現行憲法14条の平等原則に反するという理由で削除された。