社会科で習う三権分立しか知らずに生きてきたのですが、岡本太郎さんの提言された三権分立に激しく感動した。有名な言葉だと思いますが引用。

いま、この世界で必要なことは、芸術・政治・経済の三権分立である。
モンテスキューの唱えた古典的な司法・立法・行政の相互不可侵というような技術的システムではなく、まったく新しい3つの原理のオートノミーを確立すべきだ。

政治・経済は人間にとって勿論欠くことのできないシステムである。というより生活自体なのだ。しかし…(中略)…「芸術」つまり「人間」が抜け落ちてしまっている…

政治家よ、エコノミストよ、官僚よ、もっと人間になってほしい。そして芸術家に。

…(中略)…

芸術家とは絵を描いたり、楽器を奏でたり、文章をひねくったりすることではない。そんなことを全くしなくても、素っ裸で、豊かに、無条件に生きること。

…(中略)…

失った人間の原点をとりもどし、強烈に、ふくらんで生きている人間が芸術家なのだ。

もっと政治が芸術の香気をもち、経済が無償と思われるような夢に賭ける。

…(中略)…

政治はまことに政治屋さんの政治。経済人は利潤だけを道徳の基準にしている。そのモノポリー、両者のなれあいがすべてを堕落させ、不毛にさせる。これを根本的にひっくりかえし、「芸術」、つまり純粋な人間的存在と対決させることによって生命力・精神を生き返られなければならない。

自分の中に毒を持て|岡本太郎|青春文庫

初版が1993年。四半世紀の月日を経てもなお社会に向けた鮮烈な批判と提言である。レールから外れないようにとか、安全な道がどこにあるかと計算づくで人生を進もうとする。そんなことは全くばかばかしいという太郎さんからのメッセージの詰まった、人生の指針としたい本。