上野雄史先生(静岡県立大学経営情報学部 准教授 会計学)公開講座 「不適切会計 OR 不正会計? 東芝の事例から見る企業の利益マネジメントの現実」2017/10/14

東芝の不正会計が発覚し、巨額の損失が明るみに出た。
上野准教授によると、東芝の会計操作が始まったのはリーマンショックにより株価の低迷した2008年ごろからだという。

決算書類に現れた損益に投資家は敏感だ。それはただちに株価に反映される。
そのため、多くの経営者は利益を少しでもよく見せようと「利益マネジメント」を行う。
つまり、利益をお化粧して見栄えよく見せるのである。会計処理の過程で今期に計上するものを来期にしたり、来期に計上するものを今期にしたり、等ある程度の裁量は許される。その裁量の範囲内で最大限お化粧することは許されているのである。(ただし、会計書類を監査する会計士がその裁量を適切であると認めるかどうかは別問題。)

しかし、と上野先生はいう。
そういう操作を繰り返していることでいつか踏み越えてしまうのだと。
メイクだけでは満足できなくなった女性が「もっときれいになりたい」と顔にメスを入れてしまうのと似ていなくもない。まつ毛を長く見せるエクステ(つけまつげはすぐに取れるが、エクステはつけたまつ毛が何週間かは張り付いたまま)が流行っているが、「あれは整形ではないのか」と姉が言っていたのを思い出した。メイクなのか整形なのか?不適切会計なのか不正会計なのか?それらの根本には「見栄えをよくしたい」という欲望がある。

上野先生は、これらの問題の解決策として、利益マネジメントをしている会社を市場は低く評価するような「市場の効率化」と社内のガバメント強化による「内部統制」をあげられた。

日本の株価が昭和以来の2万2千円を超え、積み立てNISAなど新しい仕組みが導入され、株式投資の機運が高まる昨今。

例え話がしつこいですが、かなり地味な顔をしていたはずの同級生の女の子が同窓会で久しぶりに会ったら、見違えるほどきれいになっていて驚いた経験はないだろうか。メイクなのか整形なのかかんたんには見破れないように、巧妙に利益マネジメントされた計算書類は素人には見破ることは困難である。素人が表面的な損益だけを判断材料にしてはならず、プロの投資家やアナリストの意見を聞くことが必要である。

<KeyWord>

  • GAAP(ジーエーエーピー・通称ギャップ):一般に公正と認められた会計原則
  • 企業の情報収集方法:
    EDINET金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム
  • 企業成長の理論(エディスペンローズ)
  • 東芝 粉飾の原点 内部告発が暴いた闇(引っ越しが終わったら読みたい)

<参考>
東芝粉飾決算「利益水増し」なぜできたのか|日経ビジネス